あらすじ:
チャイナタウンで闇貸金業を営む“母(オモニ)”に育てられたイリョン。
彼女は生まれた直後にコインロッカーに置き去りにされた女性だった。
ハン・ジュニの監督デビュー作である本作は、仁川の暗黒街を舞台に二人の女性の愛憎関係を描いたパワフルな作品。(Filmarksより)
すげーーーーーーーー!
あたし、言葉がでないー!
すごいっっっ!!!!
男のハードボイルドもいいけど、
女のハードボイルドって、想像以上の意外性と破壊力があることに今日気がついた。
もうー、女のもつドロドロと母親パワーってのが半端ないのよーっ!
ああ。いままで女の役者なんて、なよなよめそめそボインボイン~♥しかできないと、
侮蔑バイアスがかかっていたあたしの目を、あたしは殴りたい! ぼこぼこに。
哲学がないと映画じゃないってえらそーなこと言ってきたけど、今日この場で訂正しようかな。
哲学なくても、心がわしづかみにされる映画ってあるんだって気づかされたわ。
なんだろう。
映画の最初から途中までは、キム・ヘスさんの圧倒的な存在感に目が奪われて、
呼吸すら邪魔に思えたけど、
後半から、キム・ゴウンさんのとんでもない将来性にためいきが出て出て、
ずーっと、こういう役者さんってものすごい宝なんだよなーって、ぶつぶつ呟いていた。
このキム・ゴウンの計り知れない底力に、
たぶん日本人みーんな圧倒されて終わったんじゃないかしら。
この人、将来がこわすぎるくらい楽しみ。
監督のハン・ジュニさんは、
これは刺激的な娯楽作品です。でも不思議と心があたたまる家族の作品でもあります、と言ってた。
なるほど、そういう目線でつくったんだねこの作品。
でも、作品は監督の想像した着地点をはるかに超えて、意外な奥行きを深めた作品になっていったように思うのよね。
それは、やっぱりキム・ゴウンがもつ不思議な魅力がこの作品をただの娯楽作品から、一皮むけたものに魔法をかけたような気がする。
主人公に、可愛くも綺麗でもなく、人気Kポップ歌手を使うのでなく、
一見なんの取柄もないそこらのエキストラ風役者を使っておきながら、ヘプバーン並みの余韻を残すってどういうことなんだろう?
わたしはこの破壊力に圧倒されている。
それほどキム・ゴウンという役者がもつ役者力って、
「得体のしれない不気味さと怖さと、将来にたいする楽しみ」がある。
可能性がまぶしすぎて、こわすぎて、正視できないくらい。
すごい役者さん。
キム・ゴウン。これからぜったいに目が離せない。
コインロッカーに捨てられ、下層社会の底辺をはいずりまわりながら生きていく、
薄汚いアウトローな女性。愛する人をめぐる激しい養母との対立。
憎しみと悲しみが交差する、生きるか死ぬかの連続。
この役、ハン・ヒョジュさんでは成功しなかっただろうな。