[その1へ]
このサイコ奥様、ふと悲しそうな表情をしたと思ったら、
なんともっていた包丁でジュノの手を切り落下していった・・・
ひゅーん。どか。
④残念だったのは動機の欠如
そう。残念だったのは、やはり犯人の動機。
ホラサスでは、犯人の動機こそがわたしの最大の関心事!
(以後、ネタばれどっかん!注意!)
この動機が同情できるものなら、わたし的にはこの映画の評価は高かった。
(すまん。えらそーだあたし)
でも、残念なことにどうしても犯人の奥さんに同情ができなかった。
そこが個人的にはとてもとても残念でした。
イファ。またの名をサイコ奥様 |
動機どころか、どーして奥さんがこれだけサイコチックになったのかが見えない。
どこにも説明されていないのよね。
ただ、いきなりある段階から、
「この奥さん、
めっちゃやばいんじゃないの?もしかして?」
って悪寒が走る。
そこからずーっと何だか良く分からないけど、
奥さんのサイコチックがやばい!やばい!やばい!の連発連続・・・
見ている間は気が付かなかったんだけど、
動機を振り返って考えた時に、この動機欠損部分だけが際立って惜しく思えた。
それならそれで、あのままイファが冷徹なサイコ奥様として最後まで突っ走ってくれたらよかったんだけど、
最後の最後、どうやらしくじったみたいよ。
彼女は、とうとう人間らしいところを見せちゃったのよ。
雨どしゃぶり。
最後はけっこーこういうビルの屋上って多い
|
終盤戦。ジュノは、サイコ奥様に殺されかける。
ジュノは必死に抵抗し、彼女を病院の屋上から階下へ突き飛ばしたんだけど、
自殺した弟のことを思い出して、
「人間なんだ(だからこんなことしてはいけない)」と
なんとサイコ奥様を助けようとする。
落ちかけたサイコ奥様の手を握って離さない。
自分も腹を刺されたりむちゃくちゃされてるのにだ。
あたしは、
うわー!ジュノ!
あんたはなんてしょーもない情けをかけるんだ!
とうろたえた。
しかし、まあここまでは許そう。だってジュノは優しい人だから。
サイコ、てめー、おもてーんだよ! |
そして、ここがクライマックス。
このサイコ奥様、ふと悲しそうな表情をしたと思ったら、
なんともっていた包丁でジュノの手を切り落下していった・・・
ひゅーん。どか。
サイコ奥様ー!って叫んではいないけど。 |
ここよここ。
あたしが残念でたまらないのはここ。
ジュノが弟の死に責任を感じて人の死をもう見たくないから、サイコを助けようとしたのはつじつまが合う。
でも、サイコ奥様がジュノの手を振り切って落ちていったのは、一体どういう演出なの???
これがあたしの最大の疑問。
あたしは、こういうサイコが人間の心を取り戻すってまず信じないタイプ。
サイコはしょせんサイコのような気がする(ごめんね全国の良い子サイコたち)。
だから、サイコ奥様が最後までジュノにしがみついて鬼のあがきを見せればよかったのにと残念でならなかった。
だって、映画は、サイコ奥様がこうなってしまった悲しい背景や動機を最後まで明らかにしなかったのだから、
この「情に満ちた」終わり方だけはつじつまが合わないでしょう?
で、なによ?
サイコ奥様は、じつはヒューマニズム奥様だったの?
サイコだろうとブスだろうと枯れ女だろうと、人間としての誇りや感情はあるって言いたいの?
でもさ、なんの脈略もなくいきなりこれって、演出としては唐突過ぎない?
お風呂に入ったら熱湯だったってパターンよこれ!
どう解釈しろってーの?監督。
あたしは置いてきぼりよ。
てなわけで、
韓国版「黒い家」、中途半端な終わり方だなーって思いました。
みなさんはどう感じたんでしょ?
わたしは、ホラーと言えど筋が通っててほしいタイプなんです。
そして、できるなら犯人に心から同情して泣きたい。
せや!もっといてもーたれ!と化け物に加勢したいのだ。
それが本音です。
監督、今度、脚本にあたしを雇ってほしい。
あたしなら完璧なホラサスを書きますからっ。
韓国と日本が、お互いにリメイク版を作りあうってほんとーになんてすばらしいんだろうって思う。
お互いの作品をお互いの感性で心をこめて作り上げる。
ほんとうにステキなことだと思う。
わたしたちはほんとうに切磋琢磨のいい関係を作り上げてきたんだと思いたい。政治的に糞の時代が続いてもだ。
とくに韓国の感性にたくさん触れて、韓国の人々の感性を理解したいと思う。
だから、
わたしのレビューは、韓国愛に満ちたものなんです。
でも、たくさん批判も書きます。
おふざけも書きますから。
ごめんしてよー。