2016/05/07

[映画] 『金日成のパレード』/『北朝鮮・素顔の人々』 その1

監督:アンジェイ・フィデック、稲川和男、朴炳陽
出演者:佐藤慶
収録時間:100分
ぽすれん

Story
謎に包まれた北朝鮮の実態を撮影したドキュメンタリーのパック。建国40周年パーティーに招かれたポーランド国営放送のクルーが金日成による独裁国家の実態を記録した『金日成のパレード』と、2000年代中頃の市民の姿を記録した『北朝鮮・素顔の人々』の2本を収録。 (詳細はこちら





これも、究極のキョーーーレツだったわ・・・

もう、のけぞるっくらいキョーレツで、揚げエビになりそうだった。

中身の構成は、

①金日成のパレード
②北朝鮮・素顔の人々
③特典映像(モランボン楽団と陸海空・北大軍団!)

なんだけど、

①のパレードは、ポーランドの国営テレビが撮った画像と北朝鮮の人へのインタビュー

登場してくる人たちはピョンヤンに住むことを許されている、一握りの比較的裕福な人ばかり。

頭からつま先までチュチェ思想が叩き込まれた人たちは、つねに、
 「我が人民が敬愛する首領様」という枕詞を欠かさない
当たり前よね。命がかかってるんですから。

パレードを見てびっくりする。


なにがってその
スケールの壮大さによ。
地平線の向うまでが、人の波波波よ。

これはすげー!

トイレってどこにあるんだろう?とか、
みんなご飯食べたのかしら?とか
おしゃべりしてたら、ヤキ入れられるのかしら?とか、
こっちはへんなことばかり心配しちゃう



出てくる大神輿みたいなものはみんな手が込んだものばかり。
ここまで仕上げるのって時間がかかったろうなあ。

それより、これを練習してきたピョンヤン市民の努力と時間ってすごくないか?
北朝鮮、とくにピョンヤンはやけに行事があると聞く。

その度に、これほどまでとは言わないけれど、
市民は行進や踊りの練習をさせられて、
大人も子供もへとへとだろうと哀れでならない。

人民のための政治って言うなら、
なんでこんな生産性のないことをさせるんだろうね?


おじさんも高い位置から、
いっしょーけんめい花振ってるよ。

笑顔はないんだよ。
義務感まるだし。






そのおじさんは、
この赤印のところにいるぞー。

子供らよ、
お父さん、がんばってっぞーい。











スタッフはおもしろいところまで撮影していて、

行進している人の脱げた靴まで映していた。
この女性、はだしで帰ったのかなぁ。

この場面、中島みゆきさんなんか絶対いい詩を書けそうだ。


さて、次に出てくるのは、色紙マスゲーム!


なんだこれは?
一糸乱れぬ色紙マスゲームのすごさは、もう声もでない。
ただの一度でもめくり間違えば銃殺刑まっているのか?って勘ぐるほど。

その緊張感が半端ない。
人間って神業ができるのね。



で、ようく見てると、
色紙もった学生たちのアップが出てくるんだけど、どの子の色紙もボロボロ・・・

おばさん、見逃さなかったよ。
また泣けてきたわよ。
まともな勉強もさせてもらえないで、こんなことばかり練習させられて大人になっていくんだなあって、また涙が出てきた。

もったいないよ時間が。
人生は短いんだから。

わたしたちが若い頃は、国体があたる学年は、
高校1年から体育の授業は、国体開催のためのマスゲーム的な練習をさせられて、ほんとうにかわいそうだなあって見てたのを覚えている。

でもまあそれは、ほんの一時のことだからまだ許せる。

北朝鮮のこういった永続的に市民の生活の自由を奪ったり、思想を押し付けたりする体制には腹が立つのだけど、この小さき市民たちがこうして頑張っているのを見ると、

あんたたち、せめて体に気を付けてがんばれよって言いたい。

かならずいい日が来るから、
その日まであきらめずに頑張ってね・・・って。

めくるの間違えんなよ。
収容所送られるぞ~。


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