(75分,米・仏・韓国)
※キムジョンギリアとは、日本の農園家が品種改良で作った花で、北朝鮮の独裁者・キム・ジョンイルに捧げられ、キムジョンギリアと名付けられた。
絶句・・・
けっこう絶句・・・
とっても絶句・・・
怖いもの見たさで見たけど、
やばすぎるほどやばかった。
こんなレビュー書いてていいのか?
北朝鮮の諜報機関にねらわれそうで怖い。
冗談はさておき、
この映画は、1992年から2006年にわたって脱北した人たちへのインタビューを集めたもの。
もちろん出てくる内容が聞いてて恐ろしいものばかり。
友人が金正日の妾になって投獄されるハメになったおばさんや(いわゆる将軍様の私生活を知り過ぎた罪)、
5年間中国で性奴隷として強制労働させられた女性や、
中指を切断された男性の脱北者(この人収容所生まれ)が出てきたり、あと、元軍人だの、ピアニストだの・・・
殴られ続けただの、逆さづりされただの、拷問話のオンパレードと、ネズミを食ったとかの飢餓話・・・
どれも話が哀れでひどくて、ゲロ吐きそうになった。
しばらく夜うなされそう・・・
この映画を見ると、どれだけあの国が狂気そのものかがわかる。
国自体が牢獄そのもの!
でも、どうして恐怖政治をしくのかな?
経済を発展させて、教育や文化にお金をつかって国を豊かにすれば、人々には支持されるし、優秀な人材は育つし、税金はとれるし、
いいことばかりじゃん。
それは、金王朝を守る(富を独占する)ってことより価値あると思うんだけどさ。
なんで少しの悪い部分を見つけて、犯罪者ってレッテルを張って牢獄にぶちこもうとばかりするのかしら。その人の親戚ぜーんぶもレッテル張られる。恨みばっかりかってたら、いずれ復讐されるじゃないのさ。
ものすごい不思議。
わたしには理解不能。
あまり知らなかった事実が多かった。
たとえば、金日成を慕う人は多かったが、一方で、金正日は多くの人から憎まれていたとか。飢餓・飢饉があったのも不幸だったけど、金正日はたくさんの人をめったやたらに強制収容所へ送り込んだらしい。
脱北者は言う。
脱北しなかったら今でも「マンセー!」って叫んで、彼らを信じていたという。
これもびっくり。
洗脳ってよく効くんだなあ・・・
街でもしも北朝鮮からの脱北者に会ったら、親切にするぞ。←ありえない!
最後に、
じゃあ、自分が体制側の人間だったら、どうしただろうって考えた。
・・・
きっと、脱北しようとする人間を銃で狙い、引き金を引いただろう。
そして政治犯を公開処刑する時に、同情のかけらも感じなかっただろうね。
まちがいなく・・・。あ、もちろん反日バリバリ!
笑ってる場合じゃない。
いつか来た道じゃないの日本もさ。
人間は、恐怖政治の坩堝(るつぼ)では、どんな形にでも熔解していく。
あっちにある恐怖ではなく、
己の中にある恐怖を感じた。
その意味でこの作品は、貴重だ。
監督:N.C.Heikin
収録時間:73分
レンタル開始日:2011-04-06
Story
世界各国が外交を行う中、地球上でもっとも隔絶された国と呼ばれている北朝鮮の内情に迫るドキュメンタリー。刑務所に収容されながらも生き抜いた人のインタビューやプロパガンダ映画の記録映像、内地で暮らす人々の生活を元に、北朝鮮の今を捉える。 (
世界各国が外交を行う中、地球上でもっとも隔絶された国と呼ばれている北朝鮮の内情に迫るドキュメンタリー。刑務所に収容されながらも生き抜いた人のインタビューやプロパガンダ映画の記録映像、内地で暮らす人々の生活を元に、北朝鮮の今を捉える。 (